おバカ彼女&天才彼氏
「ん?これは……」


机の上には、ノートと筆箱が置いてあった。


これって、誰の…?


五十嵐君のかな…?


でも、本当に五十嵐君のかなぁ?

ノート…。


ノートを見よう。


ノートの表紙は、何にも書かれてない。



「失礼します」


なぜか、″失礼します″と言ってしまう私。


言った後に、自分はバカだと思った。


私はノートを開いた。

ノート1ページ目。


…ん?

何、これ…?


数学…なのかなぁ。


数字と訳の分からない文字が並んでる。



ページをめくっていくと、頭が痛くなってきた。


でも、この字はきっと五十嵐君のだ。


筆箱は…。

普通に男子が持ってるような有名なスポーツメーカーの真っ黒い筆箱。


五十嵐君も確かこんな感じの持ってたよね…?


とりあえず、中を見よう。

このシャーペンと消しゴムは…!

五十嵐君のだ。



…ってことは、この2つは五十嵐君のだった。

どうしよう、これ…。

これを見て見ぬふりをするのも、心が痛む…。


よし、決めた。


これを五十嵐君家に届けよう!



……あっ。


私、五十嵐君家知ってるの?

知らないよねぇ…。

どうしよう…。


私が持って帰って、明日渡すとかは“何でお前が持ってんの?”とかなりそうだし、五十嵐君は家でこれを必死に探すかもしれない。

先生に聞こう。

仕方ないよね…?
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