おバカ彼女&天才彼氏
誰!?

家の中から、五十嵐君に向かって。

小学生かな?


ん?

“兄ちゃん”?

ってことは、五十嵐君の弟?!!


「和貴(かずき)!こいつは彼女なんかじゃない。こんなバカなんか…。奥に戻ってろ」

「だって…。兄ちゃん、ご飯作ってくれないから、お腹すいちゃったんだもん…」

「後で作ってやるから。待ってろ」


五十嵐君がご飯作ってるのか…。

料理出来るんだ。

意外…。


親はどうしたんだろう…。


ってか、和貴君かわいそう。

作って…あげようかな…。

「あの…。私で良いんなら、ご飯作ろうか?材料あったら、何か作れると思うけど…」

「作ってくれるか…?ってか、お前、作れるんだ?」

「ご飯ぐらい作れます!!」

「お姉ちゃん、作ってくれるの!?」

「うん、作ってあげるよ♪」

「やったぁ~!ありがとう、お姉ちゃん!!兄ちゃんのご飯、マズいし、ほとんど同じのばっかりだったから、助かるよ♪」


和貴君の無邪気な笑顔。


こんな笑顔見せられたら、絶対作ってあげなきゃって気持ちになる。



「おい、和貴。お前、そう思ってたのか。もう和貴には作ってあげね」

「あっ、ひどいよ、兄ちゃん!ゴメンって」


あは、あはは…。

何てコメントしたらいいか分からない…。


仲良いのか、悪いのか…。
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