おバカ彼女&天才彼氏
ほんの少しの時間待ってた私。


「行くぞ。お前、後ろ乗れ」

「はぁ!?後ろぉ!??」


今、後ろって言った!?

後ろってことゎ…。

″2人乗り″ってこと…ですか…?


……男の子と2人乗りって、初めてなんですけど…。

「何か文句あるか??」

「い、いえっ!!何にもないです!!」


五十嵐君、恐い…。

今の語尾に絶対、怒りマーク付いてたって!!


初めての男の子との2人乗りが五十嵐君だなんて…。

ついてないなぁ…。


「栗原、後ろで道案内しろよ?」

「…うん」

「早く乗れよ」

「あ、ゴメン」


し、失礼しまぁす…。

私は、五十嵐君の後ろにちょこんと乗った。


うぅ…。

何だか恥ずかしいよぉ…。


「おい、お前。俺にしっかり掴まっとけ。落ちるだろうから」

「なっ…!?」


し、しししししし失礼しまぁす…。(←何回噛んでんだ!?)

私は、五十嵐君に掴まった。


初めてこんなに肌で感じた男の子の温もり。

あ、暖かい…。


「しっかり掴まっとけよ!!」


そう言うと、勢いよく自転車を漕ぎだした。

おお。結構力強い…。(←男だから、当たり前か)


「おい!!お前ん家って、まだ真っ直ぐでいいのか!!?」

「うん、コンビニまで真っ直ぐ!」

「了解!」
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