春夏秋冬


「でも、ごめんね。
せっかくペアリングだったのに」


「いいんだよ。
そんなことは気にすんなっ」


そう言って笑ってくれる。


そんな春哉がダイスキだった。


月夜に照らされ、影をかたどるあたしたち。




「ながれ星!!」


あたしは空を指差す。


そういえば、あの指輪くれたのも流れ星
だったね。


星が半分なように、悲しいこと、つらいこと
は、わかちあって。
楽しいこと、嬉しいことは2倍になって。


それが、「支えあい」なんじゃないかな。


「あっ、ほんとだ。
お願い事しなきゃな」


そういってあたしたちは目を閉じる。


お願い事は声に出すのが決まりだった。

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