春夏秋冬
1 えぴろーぐ
鍵穴のない心。
あたしの心は閉ざしている。
誰にも開けられぬ扉。
それは、あたしが小学生だったある日事。
あたしはいつものように、家に帰った。
キャバ嬢のお母さんと2人暮らしだった。
お母さんはいきなり、
『あんたなんかのお母さんじゃない』
って告げて、家をでてった。
だからあたしはおばあちゃん家に
引き取られた。
でも、中学もろくに行かず、
歳をごまかしてバイトしていた。
けど、おばあちゃんが高校にだけは
行きなさいって言うから、受験した。
おばあちゃんの言う事は、逆らえなかった
だからあたしは「高校に受かったら自立する」
って言って、家を出たんだ。
おばあちゃんは、ショックだったのか他界してった。
「ごめんね、ありがとう」
とあたしは手を合わせる。
微かに聞こえる
「楽しかったよ、ありがとう」
とおばあちゃんは言ってた気がした。