春夏秋冬
「紫奈~っ!!」
春哉がまた、抱き着いてきた。
何故か、心拍数が早くなる。
「…よかった」
春哉の言葉が頭に何度もリプレイされる。
「紫奈、ドコ行ってたの?」
優しく聞く、魔王様。
また、心配をかけてしまった。
「コンビニ」
あたしは袋を持ち上げて、笑う。
「…まぢ心配した。
龍泉の総長とつるんでる事わ忘れんな?」
…たしかに。
「…はぁい」
しょんぼり、紫奈ちゃん。
守られる事なんて、なかったのに。
自分の身は自分で守るって決めたのに。
決意がこんなに早く崩れるとは思わなかった。
でも、崩れた事に悔しさは感じなくて
嬉しさだけが残った。
「わかればいーよ、わかれば」
春哉はあたしの頭をよくなでる。
またその笑顔にキュンとした。
なんだろう、この感じ…。
「さっ、飯くぉーぜ?」
零真が仕切り直す。
やっと頭が我にかえった。
「う…うんっ」
みんな支度を初めて、楽しく食べた。