春夏秋冬



次の日、あたしは目を覚ます。


身体が…重い。


けど、そんな事も気にせず仕度始める。


鏡を見ると「…なにこれ」と驚く声も出なくて。


鏡には、真っ赤に腫れた目。


…笑える。


だけど、時間がなくなって結局、


目は腫れたまま玄関を出た。





「よっ」





マンションのエントランスには、いつもの3人。


会いたく、なかったな…。


あたしは無視して、3人を通りすがる。






「…紫奈、おまえ何を隠している?」






春哉の強張った声。




「…別に何も隠してないよ」




零れそうな涙を必死に堪える。





「じゃあ、なんでだ?

なんで、昨日先に帰った?

なんで、昨日電話に出なかった?」







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