春夏秋冬




「昨日は具合悪かっただけ。


電話に出なかったのは、寝てたから」





全部、嘘だよ。


そうだよ、あたしは最低だよ。


でも…そうすれば、春哉が離れていく。


そう思った。


あたしは、また足を動かす。





「じゃあ、何で…。
目が腫れるまで、泣いたんだ?」





あたしの視界はぼやけていて、地面が歪んで見えた。


それでも、歩き続けた。


また、そうやってあたしは逃げた


「紫奈!!」


後ろから、春哉があたしの手を掴む。




地面がガクンと揺れた。


身体中の力が抜け、膝が落ちた。


…あ、あれ?


急に頭は真っ白になり、視界が完ぺきに真っ黒。


身体が、倒れる。


「おいっ!!大丈夫か?」


目を開けた先には、ぼやけた春哉の顔。


そこからあたしの意識はない。




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