春夏秋冬

拒む



高校に入ってまだ3ヶ月くらいの頃。


あたしは屋上にいた。


この高校には、ヤンキーがいるらしいが、


同じ中学の人がいないからココにした。
だから、少し油断していた。



「…人って怖いね」



あたしは空に向かって呟いた。



「…何で?」



背後から声がした。


知らない人の、優しい声。


あたしは振り向く。


頭が紫に染まっていた、


そして2本の金色に光るメッシュ。


うまく着こなした制服。


あたしは、ヤンキーと判断した。


そして、目線を反らし立ち上がる。


話しなどない。


人が嫌いだから。


友達とか彼氏とか、称号ばかり。


なにもいらないじゃん。


1人だって生きていけるんだから。




「無視?」




男はあたしの腕を掴んでくる。




< 4 / 166 >

この作品をシェア

pagetop