ティードリオス ~わが君にこの愛を~
 チャンネルを次々と切り替えてからテレビを切り、枕にうつ伏せになる。目を閉じるが――

 インターホンの音に、起き上がった。下着の上からシャツを着ただけの服装なので、モニターをオフにして繋ぐ。

『洸流、いるんでしょ?』
「……ちょっと待って」
 疲れた溜息をついて、着替える。

 出ると、友人四人がいた。いずれも、騎士団の同僚だ。女性二名、男性二名。

「帰ってきたならそういってくれれば……」
「ごめん、疲れてたから」
「いつ帰ってきたの?」
「昨夜」

 まとめていない栗色の髪を、かきあげながら欠伸をする。
 と、女友達の一人が、意地の悪い笑みを浮かべ、
「――で、どうだったの? ラインハルトは」

「……え?」
 大体、予想していた問いだが、洸流はとぼけた。

「乗ったんだろ?」
「な、何のこと……」

「とぼけるなよ! ティードリオス殿下の部隊で、生き残ったのはお前だけじゃないか!
 青き流星ラインハルトを駆り、王子を守ったナイト! お前だろ?」

「…………」
 興奮気味に言う男友達に、頭痛を感じながら、
「……入って。立ち話もなんだから」
 憂鬱に、そう言った。



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