ティードリオス ~わが君にこの愛を~
 顔に、緊張が走る。
 突如として、側にいたラインハルトの信号が消滅した。オーヴェルユの反応もない。

 そして――施設の隔壁が開く。現れたのは――

 明るい中なら青と認識された機体。翼と杖の紋章。この識別信号。

 何より――回線から流れ込んだ、見知った顔。声。

『洸流。ここで死んでもらえないか?』
 普段からは想像もつかない、冷たい顔、声。
『洸流?』

 その時――
『洸流! 構わん! 破壊しろ!』
「イレ・ルーヴュ・テオ!」
 即座に、彼女はゴルドセルンを撃っていた。出力最大で。


◇◆◇◆◇

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