ティードリオス ~わが君にこの愛を~

「早速だが……これは間違いないな?」
 復職するなり、ティードリオスの自室で、そう切り出された。

 机の上にあるのは、一週間前の葉零島(ばれいじま)での報告書。ティードリオスだけではなく、ミルドレインもいる。

「現れたのがラインハルトで、それを討つ為に、高圧粒子砲《ゴルトセルン》を撃った、と」
「はい」
「確かに、あれぐらいでなければ、ラインハルトは破壊できないが……葉零島が消滅したのは知っているな?」
「はい。ニュースで」

 5キロ四方というサイズの島・葉零島が突如消滅したのは、有名なニュースだった。周囲の島を巻き込み、海底には巨大なクレーターができているという。生態系も荒れ放題。珊瑚由来の島だったから良かったようなものの、火山性の島なら何か起きていたかもしれない。

 彼女はこれ以上は知らされていなく、休職中だったため、聞く術も持っていなかった。

「……やはり、私が何かやったんですか?」
「これを見てくれ」

 言われるままに、二つのディスプレイを見た。正式な記録に残る、第九期の映像。もう片方では、同時進行で、ラインハルトの外界モニター記録が映し出されていた。
 第九期とラインハルトの音信が途絶え、それから――

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