ティードリオス ~わが君にこの愛を~
「リリア? ……リリア・フォーセット?」
訝しげな顔をする洸流。ティードリオスは頷き、
「それは、四年前にこの城に乱入した際に、彼女が作った偽名だ。戸籍が必要になって、ハッキングして作ったらしい。……姉上でも見破れなかったからな。それが残って、彼が利用したわけだが。
彼女と出会ったのは、四年前。私が……当時は、俺と言っていたな。一六歳の時だ。あの時は、酷かった。責任放棄もいいところだ。王族としての自分を受け入れず、姉上にも反目して……。身分を隠して、一般の学校に通っていた。王族としての最低限の行動は外せなくて、出席率は散々だったがな。よく、クラスメートにどやされたものだ。一人、真面目な女生徒がいて、いつも叱られた。はやし立てる悪友もいたな」
やけに哀しげなその表情が、洸流の心に留まる。
訝しげな顔をする洸流。ティードリオスは頷き、
「それは、四年前にこの城に乱入した際に、彼女が作った偽名だ。戸籍が必要になって、ハッキングして作ったらしい。……姉上でも見破れなかったからな。それが残って、彼が利用したわけだが。
彼女と出会ったのは、四年前。私が……当時は、俺と言っていたな。一六歳の時だ。あの時は、酷かった。責任放棄もいいところだ。王族としての自分を受け入れず、姉上にも反目して……。身分を隠して、一般の学校に通っていた。王族としての最低限の行動は外せなくて、出席率は散々だったがな。よく、クラスメートにどやされたものだ。一人、真面目な女生徒がいて、いつも叱られた。はやし立てる悪友もいたな」
やけに哀しげなその表情が、洸流の心に留まる。