君の瞳に映る色
慌しく絢と俊が帰っていき
急に部屋が静かになった。
合わせたわけではないのに
お互い溜め息を吐く。
「…いい家族ね」
何気なくそんな言葉が零れた。
「…お嬢様も混じる?」
隣に立っていた玲が柔らかい
表情で笑う。
一瞬何を言っているのか
わからなかったが頭の中で
その意味がようやく理解できて、
一気に体中が熱くなる。
「な、なに言ってるのよ」
精一杯頑張って出てきた言葉が
それだけだった。
玲は笑いながら部屋の奥へと
引っ込む。
よくわからない人。
睨むように後姿を見ていて、
部屋に2人きりになったことに
気付いた。
気付いてしまうと妙に
落ち着かなくてソワソワした。
流しに置いた洗い物を簡単に水で
流しながら腹減ったな、と
玲が独り言のように呟く。
首だけ回して棗の方をじっと
見るので、棗は咄嗟に自分の
首筋を手で覆った。
行動の意図がわからずに
棗を眺めていた玲は
突然プッと吹き出した。
「血を吸われると思ったのか」
腹を抱えて笑う玲に棗は
苛立ちを覚える。
急に部屋が静かになった。
合わせたわけではないのに
お互い溜め息を吐く。
「…いい家族ね」
何気なくそんな言葉が零れた。
「…お嬢様も混じる?」
隣に立っていた玲が柔らかい
表情で笑う。
一瞬何を言っているのか
わからなかったが頭の中で
その意味がようやく理解できて、
一気に体中が熱くなる。
「な、なに言ってるのよ」
精一杯頑張って出てきた言葉が
それだけだった。
玲は笑いながら部屋の奥へと
引っ込む。
よくわからない人。
睨むように後姿を見ていて、
部屋に2人きりになったことに
気付いた。
気付いてしまうと妙に
落ち着かなくてソワソワした。
流しに置いた洗い物を簡単に水で
流しながら腹減ったな、と
玲が独り言のように呟く。
首だけ回して棗の方をじっと
見るので、棗は咄嗟に自分の
首筋を手で覆った。
行動の意図がわからずに
棗を眺めていた玲は
突然プッと吹き出した。
「血を吸われると思ったのか」
腹を抱えて笑う玲に棗は
苛立ちを覚える。