君の瞳に映る色
それでも毎日は巡ってくる。

忙しさにかまけて
何も考えないようにした。
事業をどんどん拡大し、
世界各国を周った。

そんな時、突然柊が屋敷に
入りたいと言い出した。

世界の舞台を前にしてその気が
知れないと思ったが、
今まで傍で自分を
支えてくれた事もあり承諾した。

柊が去って気付いた。
自分の周囲に腹を割って話せる
相手がいなかったということに。

「…もうこんな時間ですね。
行くところがあるので
そろそろ失礼します」

ぼんやりしていた暁生は
柊の言葉に曖昧に頷く。

棗がもし来たら連絡を
くれるように伝え柊は暁生の
屋敷を後にした。




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