君の瞳に映る色
12.指輪の謎
どれくらいそうしていたか、
肌寒さに身体が震える。
地面に接している脚は
コンクリートと同じ冷たさに
なっていた。
乾いた涙の跡が肌にピリピリと
張りついている。
冷たい夜風がただ辺りを静かに
包んでいた。
頭の中で色々な思いが
交錯する。
出るはずのない答えを
導き出す為に。
母にこれ以上迷惑は
かけられない。
そう思うのに立ち上がる気力は
まったく湧いてこなかった。
「棗ちゃん」
不意に名前を呼ばれて
意識が覚醒する。
外階段の下に絢が立っていた。