運命の彼は16歳上の山形訛り
タッキーは写メより小柄で色白な人だった。靴を脱いで運転したり、車内の装飾から几帳面なのがうかがえた。
『写真のまんまだね』
「まんまるでしょう?」
『そうでもないよ』
イチョウ並木が黄色に色付いていたのを見て綺麗だねって話しているといつの間にかビルとビルの隙間に車は進んでいっていた。
『いいんだよね』
次の瞬間にはホテルの駐車場に車は停まっていた。
タッキーはなれた様子で中へと入って行くが初めてだった私は人の目が気になって仕方なかった。



"何もしないから"
なんて言うのは嘘だってわかってた。でもその時の私は自分なんて居てもいなくてもいい、愛されることなんてないと思っていたから、自分を汚したくてされるがまま横になった。
『愛いいね・・・!』
「キスはやめてね」
『何で?』
「お願い」
何故かそれだけは許せなくて、寄せてくる唇を避けた。
事を終えたタッキーと私はベッドに横になった。
『よかったよ愛・・・ただで相手してくれる人はなかなかいないからね』
『これから色んなヤツと経験してみなよ、そしてまた俺の相手して』
"やっぱりな・・・"分かってはいたけど、帰り際に面と向かって言われると悲しい気持ちがわいてきた。
それから私は開き直ったように、サイトで出逢った人達と寝るようになった。
いつもは独りでも、会っている間はみんな私を大切にしてくれてご飯もご馳走してくれる。今回の人が居なくなった寂しさを次の人で紛らわそうとしたのだ。
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