王子様のお妃候補?
王子は王様の隣りに立つと、自分の妃候補たちに丁寧に挨拶をしました。
「皆さん、はるばる王宮へ来ていただきありがとうございます。政務があったものですから、少々遅れての挨拶で、すみません。どうか、私のことはシークラントとお呼び下さい。」
王子様はそこで、いつもの王子様スマイルをして娘たちを見ました。
四人の娘たちは、さらに顔を赤くそめて王子様を見つめていました。
((((…シークラント様!!))))
一方、アリュエインはその王子スマイルに妙な違和感を感じて眉をひそめていました。
(美しいと何しても似合うな。……でも、今の顔……どこか変だった。)
アリュエインはそれを確かめようと王子の顔をもう一度見ましたが、王子はもう普通に立っているだけでした。
(……気のせい?)
アリュエインは、納得できないなぁ。と思いながら王子の紫水晶の瞳を見ていました。
その瞳には、何も浮かんでなくて、本当の水晶のように…透明でした。
「じゃあ、皆さんにも自己紹介をしてもらいましょうか。…こちらの令嬢からどうぞ。」
ハルルクの進行に娘たちは慌てて居住まいを正し始めました。
自己紹介はアリュエインが1番最後のようです。
(…最後?うっわー最悪。)
頭を抱えようとして、王子様たちの前だったと、慌ててアリュエインを居住まいを正しました。
最初に指名された娘は、おどおどしながら、胸をはりながら名乗りました。
「わ、わたくしはミュンファボルト領のフィエナです。シークラント様、どうぞよろしくお願いいたします。」
フィエナはクルクルと茶髪を巻いた可愛い系で少しぽっちゃりした娘でした。
「よろしくお願いしますね、フィエナ嬢。」
シークラントが、フィエナを見るとフィエナはみるみる顔を赤くして、もじもじとドレスをいじっていました。
「では次の方」