王子様のお妃候補?

ハルルクの進行で一人一人と挨拶していきます。


二人目はリッセンブル領のエリザという、フィエナよりも少し暗い茶髪を頭の上でしばった、活気のある娘でした。


三人目はロマージェルク領のレミュコルトという娘で、黒髪をストレートに伸ばした大人そうな娘でした。



「次の方」


「はい。」


呼ばれて進み出たのは、ブロンド髪をゆるく巻いて腰まで伸ばした美少女でした。



(き、綺麗ーーっ!)


アリュエインは隣りにいる美少女を見て、叫び出したくなるのを必死で押さえました。


(人形みたいだ!!すっごい!ナターシャ義姉様といい勝負だ!!)


ブロンドの美少女は、すっと前へ出ると上品に腰をまげ礼をしました。
その姿の優雅さに、アリュエインだけでなく、王様までも目を見開いてその少女を見つめました。


美少女はみんなに注目されているのを確認すると、桜色の唇をゆっくり開きました。



「わたくしはアミンフェムール領から参りました、シェルヴィアナと申します。」


かわいらしい声にアリュエインは思わずうっとりしてしまいました。


(完璧だ!!可愛すぎる!!こんなのを”姫”って呼ぶんだろうなぁ。)


「アミンフェムールとは、あの?」

王様が聞くとシェルヴィアは美しく微笑みました。


「ええ。アミンフェムールは今、米の不足で困っております。…わたくしは、その現状を王様にお伝えするためにも城へ参上いたしましたの。」


「そうかそうか。なかなか良い心掛けをもつ娘さんだ。…なぁ、シークラント?」


王様が隣りに立つ息子を見上げると、シークラントはいつもと変わらない微笑みで王様を見ました。


「そうですね、父上。…シェルヴィア嬢、よろしくお願いしますね。」


「ええ、シークラント様。」


微笑みあう二人は、まさに美男美女。
絵になるほどお似合いすぎてアリュエインは、
(もうこの二人が婚約しちゃえば良くない?)


とのんきに考えていました。



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