王子様のお妃候補?
憧れの近衛騎士団
ーー…
「…ん……」
カーテンからもれる朝陽が眩しく、目を覆い、アリュエインは意識を覚醒させていきました。
(朝……?)
ぼんやりした視界をこすり、アリュエインはカーテンのすき間から差し込む光を見つめました。
(ここ……そっか…僕は今王宮にいるんだ…)
アリュエインはそのまま身体をおこして部屋を見渡しました。
昨日、メイに案内された客室でふわふわの天蓋つきの大人が四〜五人は寝れそうな大きなベッドにアリュエインは寝ていました。
昨日は疲れていて、部屋につくなりすぐに寝てしまったので、ゆっくり部屋を見ていませんでした。部屋には全身が映る鏡、何着も入りそうなタンス、書き物用のデスク、一人掛けの椅子などが置いてあります。
絨毯も職人が腕によりをかけて作ったものらしく触り心地が素晴らしいものです。
(綺麗すぎ……カシェルクの城も立派だって思ってたけど…王宮は格が違うな。)
ふーっとため息をついてアリュエインは起き上がるとカーテンをシャッと開け放ちました。
「いい天気だ。」
時間を確認すると日の出から30分たったぐらいでした。
「寝坊しちゃった。昨日は疲れてたから。」
アリュエインは頭をポリポリかいて、んーっと伸びをしました。
普通はメイドたちの方が主人より早く起きているはずですが、アリュエインは日の出とともに起きるのが習慣だったのでいつもメイドより早く起きてしまうのです。
だからアリュエインはいつも一人で朝の支度をしていました。
そして、アリュエインはいつも通りに朝の支度を始めました。
顔を洗って歯を磨き、天然パーマでくるくるしている赤茶の髪を櫛でとりあえずとかします。
その後、いつもの日課のために髪を帽子の中にいれて被り、動きやすい緩めのズボンをはいてベルトを閉め、ワイシャツにチェニックを着ました。
「よし。やるか!」
どこから見ても”少年”のアリュエインは愛用の剣をもつと部屋から出ていきました。