王子様のお妃候補?
突然の訪問
ーーー…
鍛練からなんとか部屋まで戻ってきたアリュエインは急いで服を脱いで、父様たちに渡された”王宮用の服”を着ました
「スカートなんてやだなぁ…」
ぶつぶつ文句を言いながら、アリュエインはテキパキと服を着がえていきました
今着たのは、アリュエインの瞳の色に合わせた若草色のドレスでした
フリルやごてごてした飾りはなく、ただよく見るとドレスの裾に細かな刺繍があって上等なものだと分かります
アリュエインは、くるっとその場でターンして着心地を確かめました
「さすが、ダンさんの刺繍!すっごく綺麗だなぁ!」
細かく金色の糸で刺繍された模様を見ていると、部屋の扉からノックする音が聞こえました
「アリュエイン様、おはようございます。お目覚めの時間です」
入ってきたのは、シャナとメイでした
「あぁ、おはよう」
声をかけると、二人ともビックリしたようにアリュエインを見ました
「あ、アリュエイン様…」
(あ、やば。シャナに王宮では令嬢らしくって言われてたし…寝たフリしたほうが良かったかな?)
「あの、シャナ…「素晴らしいですわー!!!」
「…え?」
シャナは、アリュエインの姿を下から上、上から下と何度も何度も視線を動かして見つめました
「そのドレスっ!!すっごくお似合いです!」
(そっちか!)