王子様のお妃候補?

「さて、ところでアリー様?」


「なに?シャナ」


「侍女頭のメルシーさんにも会ってきましたけど、今日の昼に他の令嬢と王子とお茶をする時間があるそうです」


「お茶ぁ?」


なんだそれは、と憮然とするアリュエインにメイが慌てて付け加えました。


「早く皆さんが城に慣れるのと、顔を合わせる機会を…と王様が望まれまして…」


「王様が?」


昨日会ったばかりの、人の良さそうな王様を思い浮かべました


「ふーん…王様が言うなら仕方ないとは思うけど…お茶って何すんの?お茶飲むだけかな?」


「似たような感じですけど…お茶というのは、皆さんとお茶を飲みながら、楽しくお話をする場です」


「楽しくお話かぁ…それはいいね。お菓子とかあるかな?」


「はい、コックが一番美味しいものをお作りするそうですよ」


「楽しみだなぁ」


アリュエインは我知らず、うっとりと顔を綻ばせました


王宮で出されるお菓子とはどんなものか…と楽しみにしていると、シャナが、それに!と声を上げました



「アリー様、これはただのお茶会とは違います。各領のご令嬢や王子殿下とお話するんですよ」


「分かってるよ。色んな珍しい話が聞けるね」


「違います!アリー様の言動、行動全てを見られるんです!」


「そうかなぁ?」


「そうです!!ですから、令嬢らしく、しとやかに、ですよ!」


「僕はそんな…「僕、も禁止です!私、です!」



「………はい」



アリュエインは、お茶会って面倒…と思うしかありませんでした



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