王子様のお妃候補?


「で、そのお茶会とやらまで時間はあるよね?」


「あ、はい。ございます」


メイは自分の手元にある手帳で確認してから頷きました

それを聞いて、アリュエインは、にやりと笑いました


「ア、アリー様?」


嫌な予感しかしない…といった顔で、アリュエインを伺うシャナに、アリュエインは、朗らかな笑顔を向けました


「王宮探検に行こうか!」


「ダメです」


すぐさま、きっぱりとシャナに言われてアリュエインは、ガクッと肩を落としました



「な、なんで!?」


「まだ王宮について一日目ですよ?うろちょろと歩くものではありません」


「えー!一日目だから、探検するんじゃないか!」


「これから何週…何ヶ月…いえ、一生過ごすかもしれませんもの。慌てなくてもいずれ分かります」


「一生はないし!いいじゃん、シャナー。せっかくの王宮だし、色々見て回りたいじゃん」



「私たちは観光に来たわけではないんですよ!?」



「観光だよ!!僕は、王子様の妃になるつもりはないし、あっちからもそんなふうに思われるわけないって断言できる!」


そう堂々と言い放つアリュエインに、一番驚いたのは、傍で二人のやり取りを見ていたメイでした


「アリュエイン様は、王子様の妃になるおつもりがないんですか??」



「あるわけないだろう!」



王様や王子様に聞かれたら無礼ものの発言を、ちゃっかり言うアリュエインに、シャナは蒼白になってしまう



「アリー様っ。そのような発言はお控えしないと…」



「お控えも何も、こういうのは早めの内にはっきりさせといた方がいいよ。僕、今度王子様と話せたら言おうかなって思うんだけど…」



「「いけませんっ!!」」


アリュエインの言葉を遮るように言うシャナとメイにアリュエインは訝しげに眉を上げました



「何でさ?」





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