王子様のお妃候補?



「では、アリュエイン嬢。また話そうぞ」



「失礼いたしました」



「はい」



王様がハルルクに静々と連行される姿を見送ってから、アリュエインはベッドに腰かけて、ハハと笑いました



「王様もハルルク様も面白かったな」



「いつもあんな感じのお二人なんでしょうか」



「他の侍女たちからの噂では、あんな感じらしいです…」




それを聞いたシャナは、頭を抱えるようにして言いました



「この国って大丈夫なのかしら…」



「だ、大丈夫ですよ。やる時はやるお二人なんです……多分」



フォローしきれないフォローをするメイに、シャナは、「王様とかのイメージが変わったわ」と呟きました



「ははは、僕はあんな王様や宰相様でよかったけどね。面白くて」



「それは、まぁ…いい王様たちなんでしょうけど」



「堅苦しいばっかだと息がつまるし、あれくらいがいいんだよ。あーぁ、笑ったらお腹すいてきたよ。メイ、食事はできてる?」



「あ、はい。今お持ちいたします」



慌てて出て行こうとするメイを、そうだ!とアリュエインは引き止めました



「よかったら、メイも一緒に食べようよ」



「え…!?」



アリュエインの言葉に、メイは目をいっぱい見開くとブルブルと首を振りました



「そんな、お嬢様と一介の侍女である私が食事を共にすることはできません…っ」



「えー、三人で食べたいのに。ね、シャナ?」



「アリー…ここは、カシェルク領じゃないんですよ。私も一緒には食べられません」



「えーーーっ!!!!?」



ガーン、と口を開いたまま固まるアリュエインをほうっておいて、シャナはメイの背中を押しながら、さっさと部屋から出て行ってしまいました




「つまんなーい…」





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