先生は官能作家




中はあの小説。




先生なら驚いて慌てるはず。




そう、思っていた。




「あーあ、読んじゃったか」



「えっ…」




口調が変わった。




眼鏡をゆっくりと外した。





優しい雰囲気ではない。




いつもの先生じゃ、ない。



「あれは、俺が書いた小説なんだよね」




一人称は僕だった。




でも、今確かに俺と言った。




「…嘘、だ」



「嘘じゃねーよ。コレ、俺の本」








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