先生は官能作家
何で…何で…
お願いだから、私を…
「…忘れないで」
忘れて欲しくない。
そしたら全てが終わってしまう。
嫌、嫌、嫌!
その時、私は無意識に涙を流していた。
薄らとあいた目に映ったのは懐かしい彼の姿。
「…何処にも行かないで…リュウちゃん」
「何処にもいかねーよ」
「良かった…」
夢でも彼に会えた。
私の大好きだった人。
もう傍にはいない。
一緒と言ったのに。
それが最初の裏切り。