僕は君だけを愛してる。



あたし……、諒と別れなくちゃ。



別れる?



そう考えた瞬間、びっくりするくらいに心臓が震えて……。


諒のあたしの頬に触れた指先、色気を含んだ表情、…キスの感触。


一瞬にして思い出した。


消えてない、残ってる。



…全部、全部。




ファーストキス、だったから。

だから、覚えてたんだ。
だから、こんなにも苦しいんだ。


辛くて、苦しくて……。

この気持ちにそっと蓋をした。



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