空を見上げて


入学式を終えてあたしと水樹は、大学校内をふらふらと歩いていた。
「水樹、なんかサークル入る?」
「せやな、なんかには入りたいな。」
「だよね、友達とかできるしね。」




大学内ではそれぞれの部活やサークルが新入生獲得争奪戦をやっていた。
今日、大学の学内をスーツ姿が若干初々しい人間はみんな新入生だから・・・・
まあ、たとえスーツに身を包んでいなくても、行動から新入生だとばれるだろうけど・・・・



「次は、体育館のとこに4時30分集合だって。今、1時ちょいすぎだから・・・・。」
「かなり時間あるやん。暇やな。」

そんな会話をしていたあたし達も新入生獲得争奪戦に巻き込まれた。
気づいたときには、たくさんの人に取り囲まれて、いつの間にか手にはたくさんのビラが握らされていた。
その時あたしは、有名人ってこんな感じなのかな?と思っていた。多分、一生に一度の経験だろう。あんなにたくさんの人に囲まれるなんて。

水樹の方を見ると、水樹も唖然として手の中のビラを持っていた。
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