恋愛Game
「おーい!」
遠くの方から声が聞こえる。
来たか…。
響希も恋叶も制服姿だった。
「何で制服?」
「今の今まで学校だったんだよ」
「あ…そう」
「あぁ!」
響希はかなりテンションが上がっている。恋叶は、ずっと響希の後ろに隠れている。今日は響希も恋叶も眼鏡かけてないんだな。
「恋…久しぶりね」
早乙女が声をかけた。恋叶はビクッとなって小さく微笑んだ。何か少し柔らかくなってるような気がする。
「さて…」
「あぁ」
俺と響希は頷いた。
「恋叶」
「…何」
「俺のために退学してくれてありがとう」
「ん…」
「でもな…俺はいくら恋愛が自由になったって最高な人間になったって恋叶が傍にいないと意味がないんだ」
「………」
「人生の勝ち組になんてなんなくていい。最高な人間になんてなんなくていい。俺は今や未来を仲間と一緒に過ごしたいんだよ」
「………」
「いつも恋叶に会うのが楽しみで学校に来てるのにお前がいなかったら意味ねぇよ」
「………」
「櫻菜に戻ってきてくれる?」
「…アタシは最初、櫻菜でも藤海でも学校に変わりはないって思ってた」