月見山の巫女
浅香と皐月の友人関係はこの時から始まった。
皐月曰く、

『なんかお前と一緒にいると面白そう。』

だから友達になれ、ということらしい。


あの後立ち寄ったラーメン屋で、ご飯と餃子を注文していた皐月に、『ラーメンは食べないの?』と聞いてみた。これに対し、…麺類は苦手、と渋い顔をして答えた皐月。

…普通ならば、では何故ここへ来たのかと理解に苦しむところだが、

『そっかぁ〜。』

とだけ言ってラーメンをすすり始めた浅香の返答もだいぶ抜けたものだった。

結局、それぞれが食事し終わると早々に帰宅した。

自身の噂話について聞いてみたい気がしていたが、元来自分のことには殊更無頓着だった浅香なので、一晩寝るとすっかり忘れてしまっていた。
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