月見山の巫女
「嫌いなもの、もう一つあるんだ。」
「……もう一つ?」
訳が分からないといった風な皐月を見ながら、浅香は小さく呟いた。
(諦めたくないんだよ、君を。)
「…なんか言った?」
「諦めるのは嫌いなんだよ。それが何であってもね。」
怪訝そうに首を傾げる皐月に、浅香は微笑って答えた。
「なんかお前が言ってることって支離滅裂だよな。」
はぁ、とため息一つ吐いて呆れたように言う皐月を見た浅香は、さらに笑みを深めた。
皐月と一緒にいたのはたかだか一ヶ月程度だ。まだまだ時間はある。ゆっくりでいい。ゆっくり皐月が変わってくれればいいのだ。
「俺頑張ることにした。」
「何を?」
「皐月と友達になることだよ。」
(………珍しい。)
皐月が驚いている。目を見開いているなんて初めて見た。
「…ホント変な奴だよ、お前は。」
皐月は浅香から視線を反らした。そのまま反対側へ顔を向けてしまったので、彼が今どういった顔をしているのか分からない。
ただ、反らす直前、彼の顔が少し歪んだ気がして嬉しく思った。
「……もう一つ?」
訳が分からないといった風な皐月を見ながら、浅香は小さく呟いた。
(諦めたくないんだよ、君を。)
「…なんか言った?」
「諦めるのは嫌いなんだよ。それが何であってもね。」
怪訝そうに首を傾げる皐月に、浅香は微笑って答えた。
「なんかお前が言ってることって支離滅裂だよな。」
はぁ、とため息一つ吐いて呆れたように言う皐月を見た浅香は、さらに笑みを深めた。
皐月と一緒にいたのはたかだか一ヶ月程度だ。まだまだ時間はある。ゆっくりでいい。ゆっくり皐月が変わってくれればいいのだ。
「俺頑張ることにした。」
「何を?」
「皐月と友達になることだよ。」
(………珍しい。)
皐月が驚いている。目を見開いているなんて初めて見た。
「…ホント変な奴だよ、お前は。」
皐月は浅香から視線を反らした。そのまま反対側へ顔を向けてしまったので、彼が今どういった顔をしているのか分からない。
ただ、反らす直前、彼の顔が少し歪んだ気がして嬉しく思った。