月見山の巫女
―――誰かの呼ぶ声が聞こえて来る。その声に導かれるようにして浅香の意識はしだいに浮上していった。
「おーい、もう昼だぞ。いい加減起きろー。」
どさっと頭上に何かを落とされ、その衝撃と痛みでようやく目を開けた。
視界いっぱいに映るのは白い色。眠る直前に見た青色ではない。
不思議に思い手で触れると、何処かで聞いたような耳障りな音がする。
手で退かすとそれがビニール袋であることが分かった。また、視界が開けたおかげで頭上近くに佇む、これを落としたであろう犯人も確認出来た。
「………皐月?」
上体を起こしつつ尋ねると、上から見下ろすその少年が呆れながら浅香の隣へ腰をおろした。
皐月と呼ばれた少年は、随分と端正な顔立ちをしていた。
身長は170cm前後。身体付きは華奢な浅香とは違い適度に筋肉がついて均整がとれていた。
普段は他人の容姿にも自分の容姿にも無頓着な浅香であったが、こと皐月に関しては、あまりにも目立つ容姿に慣れるまで時間が掛ったのだ。
日本人ではまず滅多にお目にかかれないだろう
――――― 赤い瞳に
「おーい、もう昼だぞ。いい加減起きろー。」
どさっと頭上に何かを落とされ、その衝撃と痛みでようやく目を開けた。
視界いっぱいに映るのは白い色。眠る直前に見た青色ではない。
不思議に思い手で触れると、何処かで聞いたような耳障りな音がする。
手で退かすとそれがビニール袋であることが分かった。また、視界が開けたおかげで頭上近くに佇む、これを落としたであろう犯人も確認出来た。
「………皐月?」
上体を起こしつつ尋ねると、上から見下ろすその少年が呆れながら浅香の隣へ腰をおろした。
皐月と呼ばれた少年は、随分と端正な顔立ちをしていた。
身長は170cm前後。身体付きは華奢な浅香とは違い適度に筋肉がついて均整がとれていた。
普段は他人の容姿にも自分の容姿にも無頓着な浅香であったが、こと皐月に関しては、あまりにも目立つ容姿に慣れるまで時間が掛ったのだ。
日本人ではまず滅多にお目にかかれないだろう
――――― 赤い瞳に