月見山の巫女
浅香は極度の方向音痴でもある。
その日、例のごとく職員室で説教を受けた浅香は、教室へ戻ろうとしていたのだが、何故かついたのはまったく別の場所だった。
「……屋上?」
錆び付いたドアを開けると、まず最初に目についたのは雲一つない空。次いで、視線を下に移すと薄汚れたタイルが床に敷き詰められているのが見てとれた。。
そこでやっと、ここが屋上であることを浅香は理解する。
この学校は屋上への立ち入りが禁止されていて、ドアには錠が掛けられている。…常ならば。
しかしこの年忌のはいったドアには鍵など無意味だったらしい。
浅香は引き返そうと思ったが、そんな意思とは裏腹に足はどんどん前へ進んで行った。
風が心地よかったのだ。
春の風は適度な暖かさを持って、浅香を眠りに引き込む。
…結局屋上で寝てしまい、気付いた時には空は赤く染まっていた。
その日、例のごとく職員室で説教を受けた浅香は、教室へ戻ろうとしていたのだが、何故かついたのはまったく別の場所だった。
「……屋上?」
錆び付いたドアを開けると、まず最初に目についたのは雲一つない空。次いで、視線を下に移すと薄汚れたタイルが床に敷き詰められているのが見てとれた。。
そこでやっと、ここが屋上であることを浅香は理解する。
この学校は屋上への立ち入りが禁止されていて、ドアには錠が掛けられている。…常ならば。
しかしこの年忌のはいったドアには鍵など無意味だったらしい。
浅香は引き返そうと思ったが、そんな意思とは裏腹に足はどんどん前へ進んで行った。
風が心地よかったのだ。
春の風は適度な暖かさを持って、浅香を眠りに引き込む。
…結局屋上で寝てしまい、気付いた時には空は赤く染まっていた。