【Transformation of Tony】トランスフォーメーション・オブ・トニー
そうだよね、チーフは
アタシより6つも年上だし、
慰めてくれる為に誘って
くれたんだよね?
そもそも初めて会ったの
なんてアタシがまだ高校生の
時だし‥。
アタシ…バカみたい。
『チー、…トニー。
アタシ、馬鹿だよねー。
ホントは解ってたのに…。』
大粒の涙がボロボロ零れる…
『ローザ?
馬鹿っ!泣くなよ!
メイク道具持って来て
無いんだからなっ‥
解った!そうだ!
歌いに行こう!
パ~っと‥な、な?』
マスカラが溶けて黒い
涙が流れ落ちる‥
トニーはおろおろしながら
ローザを宥めてる。
『アハハ‥トニー優しいね、
泣かないよ!
泣くわけ無いじゃん!』
『‥って思いっ切り
泣いてんじゃん!
ほら、歌いに行くぞ!
パ~っと!』
『パ~っとね!
ハハ‥ハ‥ふえ~ん♭』
ぬぅ、アタシ…カッコ悪い。
泣く理由が違うんだってば!
『マスターごめん!
また来るわ。
Checkヨロシク!』
『あ~あ、トニー‥
また女の子泣かして‥
犯罪だぞ!』
『マスター!
人聞きの悪い事
言わないでよ!』
『冗談だよ、
気を付けてな‥。』
『ありがと!じゃ!』
麗子はトニーに促され
店を後にした。