【Transformation of Tony】トランスフォーメーション・オブ・トニー
チーフに手を引かれながら
繁華街を行く‥
『慎也、遅~い♪
もお!待たせ過ぎ~!
あり得な~い!』
『ゴメン、夏希ちゃん♪
この前言ってたティファニーの
買ってあげるからさ~♪
許してくれる?』
『どうしようかなナ~
しょうがないナ~♪
許してあ・げ・るっ♪』
『きゃはは!』
道の途中、聞き覚えのある
声と名前が耳に飛び
込んで来た。
麗子はハッとなり、声のする
方角を見た!
ひゅい~ん#ベベン♪
何処からともなく和風な
ミュージックが‥
修羅場か?
修羅場になっちゃうのか?
麗子がチーフの手をほどくと
声のした方へスタスタ
歩いて行く‥
そしていきなり男の前に
立ちはだかった。
『わっ!麗子!!!』
怒り心頭の麗子はギュッと
拳を握り締め‥
その手に渾身の力を込める‥
『予告‥ホーームランっ!!!』
んぱしーん☆#@
慎也は一瞬、自分の身に
何が起きたのか把握
出来なかった。
慎也の頬には決別の真っ赤な
もみじが色付いていた。
『痛てぇ~!』
『ちょっとー!
慎也、どーゆう事よ!
フリーだって言ってた
じゃない!
アタシを騙したの?
何よあの女‥』
慎也は問い詰められて
その場に凍りついている。
修羅場の続きは勝手にどうぞ!
『トニー行こ!』
今度は麗子がトニーの腕を
グイグイ引いていた。
『イ~~~~ハァ――!』
トニーが爽快な表情で
ウエスタンな雄叫びを
挙げる‥
『やるじゃんローザ♪』