【Transformation of Tony】トランスフォーメーション・オブ・トニー
そう!
いざとなったら女は強いのだ!
慎也め!思い知ったか!
麗子はさっきの一打で
憑きものが取れた様に
強くなっていた。
そしてすっかりローザとして
生まれ変わっていた。
チーフと共に行った
カラオケ店でも歌いまくり
食べまくり、失恋ソングを
歌うのかと思えば、寧ろ
チーフがもて余す程に
ロックでノリノリに
なっていた。
『こんだけ元気なら心配
無いわね♪』
『チーフ!
チューハイおかわり!』
『アンタ、もうその辺で
やめときなさい‥。
明日、土偶みたいな目に
なっても知らないからね!』
『ぶぅー!』
『なんちゅう顔してんの!
明日、仕事でしょ?
そろそろ帰るわよっ!』
『え~!もう帰るの~?』
『あー、あのまま泣かせて
おけば良かった!』
『ねぇー、もう一曲。
ね?お願い!』
『ダーメ!
ほら、送ってくから!
はい、コート着て!』
『つまんないの!』
『明日またね、お店が
終わる頃にいらっしゃい。』
『ホント?ヤッター♪』
『女子校生かっ!』
『チーフ、立てな~い。』
『それだけ飲みゃあね。
じゃ、ほら、おんぶ‥
アンタ、家どこだっけ?
??ヤダ、眠ちゃってる‥』
トニーは眼鏡を外して‥
『しょうがねぇな‥。』
麗子を担いで自分の店を
目指した。