【Transformation of Tony】トランスフォーメーション・オブ・トニー
君の朝
チュンチュン‥
チチチ‥
う、う~ん‥
がばっ!
『あれ?此処…
アタタ…頭痛~っ!
アタシ…?
あれ?
何で部屋なの…?』
目覚めるなり、
麗子は頭痛と闘いながら
記憶の糸を辿ろうとした。
『えーと、チーフと…
慎也を殴って…
歌って…
その後は…???
あ~ダメ!
あたま痛~い!
もお~ムリ!』
ゲンナリしながら目覚ましに
目をやった。
[8:32]
『うーわ!ヤバ!
遅刻じゃん!タタタッ‥』
麗子の髪は見事な
ボンバーヘッドになっていた。
『あ~、ど~しよう…
絶対間に合わないじゃん!
あ゛ー、あ゛ー、あ゛ー。
何か声も渇れてオッサン
みたいになってるし…
ダメだ休もう‥
こんなんじゃ電話も
取れないよ。
会社に電話しなきゃ!』
慌てて麗子は携帯を探した。
ピピッピピッピピッ…
『あー!バッテリー
無いじゃん!』
今度は充電器を探す…
充電器を見付けると、
床を這いながら携帯と
充電器とコンセントを
繋げ、
電話した。