【Transformation of Tony】トランスフォーメーション・オブ・トニー


『ハァ~♪美味しかったわね~
いつもはもっと掻き込んで
食べて店に戻るんだけど
久々にゆっくりしたわ~♪』

食事処を出てチーフが
満足気に麗子に言う‥

『ねぇ、チーフ…
ホントにモデル…
アタシで良いの?』

『なによ今更!
自分から振っといて。
大丈夫よ、メイクに胸は
関係無いから…。』

してやったりの表情で
チーフが麗子に言う。

『・・・・・?
それ…どーゆう事っ?!』

数秒置いて漸く意味が解った
様だ。

麗子が唇を尖らせて
むくれてる。

『アハハ!冗談よっ。
真面目にお願いするわ。
今度のコンテストのモデルに
なって下さい。』

チーフが麗子に深々と
頭を下げた。

『ちょ、ちょっと!
そんなに改まって
言わなくても‥。
わかりましたっ!
チーフ、アタシ‥
引き受けるよ。』

『ホント?♪
有難う♪良かった~♪
宜しくお願いね!』

『まっかせなさ~い。』

何と言っても他ならぬ
チーフのお願い事だし、
他の女の子がモデルに
なってるのをヤキモキしながら
見ているよりマシ。

チーフの安堵する表情に
モデルには関係ないと
言われたなだらかな胸を
ポンと叩いて麗子が承諾した。


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