【Transformation of Tony】トランスフォーメーション・オブ・トニー
まさに、オフィスの守護神
なのだ。
麗子が高野の事を語って
聴かせると、チーフが
鏡越しにニッコリしながら
『そう、そうなの、
素敵な先輩に恵まれて
良かったわね♪
でも、麗子ちゃんには
麗子ちゃんの魅力もあるん
だから、今はそれを生かした
まま、背伸びせずにいて
ほしいワ♪』
ドックン☆
『ねぇ、チーフ、
アタシの魅力ってどこに
あると思う?』
麗子は単刀直入に聞いた。
『そうねぇ、明るくて
元気で、人を思いやる
優しさ‥とかかしら?
今、22でしょ?
変に背伸びしちゃって
無理するより、自然体で
いるのが一番良いと思うわ。』
チーフが22歳と言う年齢に
触れた辺りで、麗子の胸が
ズキズキと痛んだ。
《チーフにとっては
やっぱりアタシは妹みたいな
ものなのかな‥》
麗子の表情が急に曇った。
『あら?どしたの?
アタシ何かいけない事
言っちゃったかしら?
大丈夫よ!この前から
言ってるじゃない。
麗子ちゃんは笑顔で居るのが
一番だって。』
麗子は今、この場でチーフに
気持をぶちまけたい衝動に
かられていた。
『ねぇ、チーフ!
・・・・・』
真剣な表情で呼吸を調える…
『ど、どうしたのよ?
急に大きな声で…』