愛の手
第一幕

夜のネオンがチカチカとまぶしい。

見たくもなくてよけたいのに、あたしの体はいうことをきかずに動かない。




体が鉛のようだ。




口の中からは血の味がしてたのに、それすらも感じなくなってきた。

顔や手、首、足――…

あたしをつくる全てが痛みを通り越して、感覚が麻痺する。



あたし、このまま死ぬのかな。





死ぬって――…






こんなにも呆気ないモノなの?


< 1 / 285 >

この作品をシェア

pagetop