愛の手

「愛理さんが怖がるのもわかります。私たちはそれ相応の危ない職種ですから」

「……人を、殴ったりする」

「えぇ、ときにはしますよ」

さらりという祐輔さんに、少し恐怖を覚えた。


あたしを殴ったときみたいに、誰かを殴るんだ。




「信じてくれ、とはいいません。でもこれだけは覚えていてください。いまの浅葱組は全員、愛理さんの味方です」




――…なんで?





あたしの疑問は、曖昧な笑顔で打ち消されてしまった。

< 103 / 285 >

この作品をシェア

pagetop