愛の手
「愛理さんが怖がるのもわかります。私たちはそれ相応の危ない職種ですから」
「……人を、殴ったりする」
「えぇ、ときにはしますよ」
さらりという祐輔さんに、少し恐怖を覚えた。
あたしを殴ったときみたいに、誰かを殴るんだ。
「信じてくれ、とはいいません。でもこれだけは覚えていてください。いまの浅葱組は全員、愛理さんの味方です」
――…なんで?
あたしの疑問は、曖昧な笑顔で打ち消されてしまった。