愛の手
――…ドンッ
「……愛理」
あたしは総司さんの胸を、強く叩いた。
怪我の痛みからか、顔がゆがむ。
ううん……
本当は怪我の痛みじゃないって、わかってた。
「…ったしの、こと…、…いらなくなったならそういえばイイじゃない」
「愛理?」
あたしってなんで素直になれないんだろう。
「触らないでっ!!!!」
優しい手で慰めて。
「あたしのことなんて棄てればイイじゃん!!!」
そばにいさせて。
「オモチャみたいに、乱暴にしてよ!!!!」
ココロが迷うから。
「総司さんなんて、ダイキライ!!!!」
ううん……
――…ダイスキ。