愛の手
誤解が解けたのは、祐輔さんの行動のおかげだ。
実際はお嬢様でも、なんでもないただの庶民のあたし。
もし彼らに出逢っていなかったら、あたしはいまでもクラスの輪に入れなかったよ。
人と接するのが苦手なあたし。
思ってることを口にしちゃうから、人を傷つけちゃうのが怖いの。
でも、そこから踏み出すきっかけをくれたのは、総司さん。
きっと総司さんが配慮してくれて、祐輔さんにあぁするようにいったんだ。
“ヤクザ”といわれて、あたしがクラスで浮かないように。
クラスの輪に、自然と入れるように。
ありがとう、総司さん。