愛の手
未来への光、救いの手。
あたしは手足が縛られたまま、違う部屋にまた移動させられた。
浅葱組と違って、ちょっと洋風の部屋。
女の人向けな部屋は、お母さんが昔使ってた部屋なんだってさ。
「足りないものはなんでもそろえるって、七代目が」
「……」
「おい、シカトかよ」
礼央が扉のとこでわめく。
あたしはめげずに、口を閉ざす。
「なぁ、悪かったって」
「……なにに対して悪かったか、わかってんの?」
イライラする。
礼央に対して、あたしに対して、全部。