愛の手

戸惑ってるあたしを、客観的に見る総司さん。

大人に謝られるなんて、なんかヘンな気分だよぉーっ。


「まぁ、まぁ。そこらへんでやめにしましょう」

助け舟を出したのは、さすが!!って感じの祐輔さん。

こまってるあたしにすぐ気づいてくれるんだもん。



「周防は、愛理さんが仲間になることを否定してたでしょう?」

「そういえば……」

結構前の話しで、あたしはぼんやりと思い出した。

そんな話しで、総司さんとモメてたんだっけ?


「矢崎組と知っていて、浅葱の家に迎えるのは危険ですからね。それを承知で入れる若の目を覚まさせようと、必死だったんですよ」

いわれてみれば、そうだよね。

あたしを引きとるって、すごくリスクの高いことだったんだ。



「いくら浅葱組のことを想って、とはいえ、若の気持ちを無視して自分の気持ちで突っ走って、申しわけありませんでした!!」

「い、いいのに」

「いいえ、気が済みませんので、なんなりとご命令を!!!!」



はぅ……

なんでこう、ヤクザって律儀なの?

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