愛の手
――…
結局、なんでもするといってきかない周防さんには、あたしの迎えの仕事がまわされた。
朝はいままでどおり祐輔さんがするんだってさ。
なんでかって聞いたら、祐輔さんが一番見た目が普通だから、らしい。
確かに、朝からいかにもヤクザ!!な人に送られるのって……注目浴びるよね。
それに仁さんより厳つくて強面の周防さんだもん。
……怖いだろうな。
「愛理、きなさい」
「……はい」
あたしは総司さんの部屋にまねかれた。
総司さんの横には、薬箱。
向かいあうように座ると、薬箱をカチッと開けた。
話しよりも先に、消毒が最優先だって。
総司さんは、消毒液で湿らせたガーゼをあたしの頬に乗せた。