愛の手
総司さんはなにかを考えてる。
どうしようか、みたいに。
「愛理はどうしたい?」
なんてわかりきってることを聞いてきた。
「……そばにいさせてくれるんじゃなかったんですか?」
ってあたしはイヤミで返した。
そっか、っていいながら、総司さんは髪をぐしゃぐしゃっと乱暴になでた。
うぅ。
髪がボサボサ。
総司さんを安心させたくて、あたしは頬をふくらませたまま見上げた。
「あたしは、浅葱組の人間です」
その言葉に安心したように、総司さんはまた髪をぐしゃぐしゃにした。