愛の手
――…ガラッ
「礼央っ!!!」
あたしは礼央の教室の扉を乱暴に開けると、あたりを見渡した。
いたいた、金髪のチャラ男。
「おー、愛理じゃん。久しぶり」
あいかわらずノー天気な様子に、気合い入れてきたあたしがバカみたいに思える。
あたしは礼央のそばまで近よった。
「ちょっとツラ貸しな」
って、不良の呼び出しみたいにいうと、はいはい、ってわかりきってるみたいについてきた。
「愛理ってばあいかわらずヘンだよなぁー」
うしろをついてくる礼央は、ケラケラと笑いながらそういった。
あたしからしてみたら、礼央のほうがヘンだよ。