愛の手

二人は過労だったらしい。

借金返済するために、躍起になって働いた結果がこうだ。




両親の他界を目の当たりにして、ようやくあたしは現実に気づいた。


借金八千万円の返済。







――…ガンガンガンッ



『小原さぁーん、いるだろ? いつになったら返済するんだよ』

『今日で返済延滞日、おしまいだからな。きっちり払えよなぁ』





返済?

払う?





なにそれ……





――…そんなの、聞いてないよ。


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