愛の手
次の日――…
あたしは泣き腫らした目で、誓約書にサインをした。
自分をこんなメにあわせ、恐怖の底まで追いつめたこの人たちが憎い。
憎くてたまらない、悪魔。
人を、人と思わない人たち。
返済出来るだけのお金をそろえるまでの、辛抱だから。
両親のかわりに立派に生きたい、と思ったのに、あたしはヤクザに身を売った。
ごめんなさい……
お父さん、お母さん。
あたしは生きるために、憎むべき相手のもとに、“あたし”を売ります。
生きるために…
――…これしか手段が、ないから……